【読書記録】進化しすぎた脳/池谷裕二
人間は脳の1割程度しか使えていない…
そう言われる理由や脳の凄さが分かる一冊です。
人工知能(AI)と脳が生み出す生身の知能の違いは?
人間の脳が生物の中で一番優れているのか?
色んなことを考えさせられました。
全ての哺乳類の大脳皮質は6層構造
人間とネズミの構造が同じという事実に驚きました。
構造が同じなのになぜ知能が違うのか…
脳の大きさ?脳のシワの数?
「脳が大きければ大きいほど、シワの数が多ければ多いほど賢い」なんてよく言われる通説だけど、正しくない。
脳の大きさは人間よりゾウの方が大きいし、イルカなんて人間より大きい上にシワの数も多い。
でも人間の方が知能は高い。
脳自体が知性を決めているのではなく、身体が知性を決めている。
人間には手や指があって、優れた喉(発声ができる)がある。それに対応した脳になっている。
もし仮に人間の腕が6本になったとしても、脳はそれに対応していく。
そういう意味では人間の脳は「宝の持ち腐れ」「進化しすぎた脳」と言えるのではないか。
「いつでも同じ場所に腕を移動させる神経細胞」
そんな神経細胞がサルで見つかった。
特定の場所を刺激すると、その直前まで腕がどこにあろうと、ある場所にきっちり移動する。
脳にこんな抽象的な動きを伝える細胞があることに驚いた。これがAIと脳の違いの1つなのかもしれないと思う。
「歩く」という動作を考えてみる。
ロボットは「このモーターをこの速度で回して、次はこのモーターを…」と具体的な指示の連続で行う。
でも人間は「足をこの辺りに出す」という抽象的な指示1つで行なっているのかもしれない。
人間はあいまいな記憶しかもてない
あいまい性を確保するために、脳はものごとをゆっくり学習するようにしている。
写真のように物事を記憶した場合
正面を向いて立つA君を「これがA君だ」と記憶する。するとA君が横を向いた途端、その姿は別人(A君ではない)となってしまう。
〈記憶の保留〉をするこで、それぞれの共通のルールを見つけ出し一般化する。これが人間の臨機応変な適応力に繋がっている。
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