【読書記録】言ってはいけない残酷すぎる真実/橘玲
遺伝について、語ることを避けられている真実が語られています。
遺伝だから諦めるのではなく、遺伝するという真実を知って、行動することが大切。
努力は遺伝に勝てないのか
この社会にはきれいごとがあふれている。
人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではないー
だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てない。
これを読んで、「努力は報われるはずだ!」と多くの人は思うだろう。
次の2つの文を読んでどう感じるだろうか。
- 大学教授の子供は頭がいい。
- 子供の成績が悪いのは、親がバカだからだ。
1と2は逆の立場であるだけで、どちらも知能と遺伝について言っている。
1は当たり前の話で違和感はないかもしれない。一方で2は成績は努力によって向上できる…と考える人が多い。
これは、「(負の)知能は遺伝しない」という暗黙の強い社会的規範が働いているからだ。
実際に一般知能(IQ)の遺伝率は77%
知能の違い(頭の良し悪し)の約8割は遺伝で説明ができることを示している。
子育てや教育は子供の成長に関係ない
わたしは、遺伝と非共有環境によって「わたし」になる。
子どもが親に似ているのは遺伝子を共有しているからだ。子どもの個性や能力は、子育て(家庭環境)ではなく、子どもの遺伝子と非共有環境の相互作用によってつくられていく。
そしてこの過程に、親はほとんど影響を与えることができない。
「わたし」をつくるのは、遺伝と家庭以外の環境なのだ。
子どもにとっては「友だちの世界」がすべてであって、「友だちの世界」のルールを優先している。
子どものパーソナリティ(人格)は、遺伝的な要素を土台として、友だち関係のなかでつくられていくのだ。
読んでいると、親としてできることは無いのでは…と思えてくる。
親のいちばんの役割は、子どもの持っている才能の芽を摘まないような環境を与えることだ。
子どもの才能が集団の中で活かせる環境…
その環境を与えることができたとしても、そこでどんな友だち関係を選び、どんな役割を演じるかに親が介入できない。
結局は遺伝による子どもの無意識に委ねるしかない…
親としてできることの少なさを思い知らされる…
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